今回はTommy Emmanuel(トミー・エマニュエル)の機材を徹底解剖します。
ギター
TommyはMaton社のギターを愛用しています。
【使用ギター】
- Maton 808 TE Personal Queensland Maple
- Maton 808 TE Personal with slightly thinner body
- Maton EBG808TE/C
Matonの特徴
Maton(メイトン)はオーストラリアのギターメーカーで主にエレアコを作っている会社です。
有名なMartin(マーティン)とは別会社です。
Matonの特徴としては以下が挙げられます。
- ピエゾとマイクの2種類のピックアップ搭載
- 薄めのネック+小ぶりなボディで弾きやすい
- トミーのギターはMatonの中でも特別なカスタムショップ製
ピエゾとマイクの2種類のピックアップ搭載
Matonのピックアップはコンデンサーマイク×アンダーサドルピエゾの組み合わせになっています。
特にマイクの性能が高く、カラッと湿度の低い爽やかな出音が特徴です。
時代によってMatonのピックアップは変わっていますが、トミーのメイン機はAP5 PROを積んでいます。
- 昔のMatonはAP MIC
- 近年のMatonはAP5 PRO
AP MICはマイクの感度が高いため、空気感・生音っぽさが強調されますが、ハウリングに弱く、扱いが難しい特徴がありました。
ただ現行のMatonは全てAP5 PROで統一されているため、欲しい場合は中古を探す必要があります。
それに対しAP5 PROは比較的最近のMatonギターに搭載されているピックアップで、AP MICに比べハウリングに強くなり扱いやすくなっています。
ネックが薄く、小ぶりなボディで扱いやすい
Matonも他のエレアコと同様、ピックアップを付ける前提で設計されているため、生音はそこまで重視していません。
その代わり、「ラインでの出音」・「プレイアビリティ」を重視するボディ設計になっています。
具体的にはネックを薄めにすることで、握りやすくなり左手の運指が楽になっています。
そのほかにもボディが薄く・サイズも小さいため、小柄な人や女性でも抱えやすくなっています。
Matonの弾きやすさを証明かの如く、近年では日本のMatonの売上も絶好調で、男女関わらず、Matonを使用している方も増えてきています。
▼KOYUKIさんもMatonを使用していますね。
またMatonは弦高を大幅に下げても(6限側1.7mm等)ビビリ辛いため、普段はエレキを弾いている人にもおすすめです。
トミーのギターはMatonの中でも特別なカスタムショップ製
Matonで販売されるギターはレギュラー品とカスタムショップ製の2つ工程に分かれます。
レギュラーはベルトコンベアー式に複数のルシアーが別々のパーツを作り、最後に組み合わせて作るのに対し、カスタムショップはMatonで総指揮を取っているANDY ALLENさん1人で全てのパーツを手作業で作るという違いがあります。
レギュラー品でも十分素晴らしいギターではありますが、カスタムショップ製となると時間を掛けて丁寧に作られているため雲泥の差があります。
その中でもトミーのギターは使用する木材からこだわって作られているのです。
ピックアップが優秀。プレイアビリティの高いボディ設計など特徴を踏まえると速弾きも多く、ライブ本数も多いトミーにはぴったりのギターと言えますね。
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初心者にもオススメです。
弦
トミーはマーチン弦やダダリオ弦を使用しています。
- Martin SP Flexible Core “Tommy’s choice” MXF740 Light (.012 – .054)
- Martin SP Flexible Core MXF750 Medium (.013 – .056)
そして気になるトミーの弦高ですが、Youtubeでトミーがファンのギターを弾いている動画があり、その中で「自分が弾いてるのにとても近い」と言っていました。
動画の概要欄にその時の弦高が書いてあり、1弦側で1mm、6弦側で1.8mmだったと書いていました。
これはかなり低いですね。
時代によってある程度幅はあると思いますが、基本的に6弦側が2mm以下であることは間違いです。
以下の動画では一番良い弦について語っています。
要約すると”特定のブランドではなく、「そのギターにあったもの」が一番良い弦だ”と言っていますね。
そのため「とにかく色々な弦を試すこと」が重要なのです。
皆さんも自分のギターに合う弦を探す旅に出ましょう!
アンプ
AER Tommy Emmanuel Signature Compact 60
AER社のCompact 60のトミーシグネイチャーモデルです。
このモデルは「アレシス」というリバーブエフェクターが入っているのが特徴です。
トミー好きな人はシグネイチャーモデルということもあり、AERのCompact 60の方を使っている方が多いような気がします。
一昔前(〜2020年くらい)のトミーの音が好きな人にはAERがオススメです。
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Udo Roesner Amps – Da Capo 75
2020年以降のYoutubeを見るとUdoのDa Capo 75をよく使ってます。
Da Capo 75は上で紹介したAERの創業者であるUdo Roesnerが新たなブランドとして立ち上げた会社の第一弾のアンプです。
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プリアンプ
AER Pocket Tools Dual Mix(もしくは Dual Mix2)
トミーが使用するDual Mixは2チャンネルプリアンプです。今はDual Mix2という進化バージョンで販売されています。
2チャンネルプリアンプなので、1つはギターから引いたラインの音、もう一つはライブMC用にマイクを繋ぐような使い方もできます。
リバーブが付いているにも関わらず、片手で持てる大きさ・重さにまとまっているのも嬉しいポイントです。
ちなみにライブ時のトミーはDual Mixのリバーブではなく、PA側で掛けているようです。
昔のトミーはAERのColourizerを使っていました。
見た目はDual Mixと似ていますが、エフェクトも無い単純なイコライザー機能のみ搭載しています。
今はColourizer2としてバージョンアップした物が販売されていますがトミーは使用していません。
ピック
トミーはフラットピックとサムピック両方使っています。
DAWG
本来はマンドリン用のピックです。
厚めのピックで、トミー特有の丸くて太い音が出せます。
トミーの曲弾いてるけど、トミーっぽさが無いな?と思っている人はお試しください!
普通の楽器屋には売っていないため、ネットで購入する必要があります。
トミーファン必需品ですね!
D’Andrea ProPlec Model 385 – Rounded Triangle Pick
こちらもトミーが使用しているピックです。トミーは丸型の厚めのピックが好きなんでしょうね!
Jim Dunlop thumb picks
サムピックをよく使用するトミーですが、Dunlopを使用しています。
チューナー
PolyTune Clip
出ました。大人気チューナーのPolyTune Clipです。
レスポンスが早くとても正確にチューニングできるため、大人気のチューナーです。
KORG TM60
こちらの商品はチューナーのとしての機能はもちろん、メトロノーム機能もある優れものです。
トミーはTM40という古いバーションを使用していますが、現在はTM60として展開されています。
Boss Chromatic Tuner TU-3
LIVEステージの暗い足下でも視認性バッチリです。
カポタスト
Kyser
楽器屋さんでもよく見るカポタストですね。
バネ式でワンタッチで取り付けできるので、着脱が素早くできます。
日本公演ではカポありの曲からカポなしの曲に移行する際にこのカポタストをぶん投げていたのが印象的です。カッコ良かった。
Paige
ペイジーカポはねじ式です。
ねじ式はバネ式と違い、1〜6弦まで均等に圧力がかかるためカポを付けた後も音が狂いにくい特徴があります。
サウンドホールカバー
Maton サウンドホールカバー
こちらはMaton社が出しているサウンドホールカバーです。
Matonピックアップにはコンデンサーマイクがついていますが、ハウリングしやすいため、それを防ぐために付けています。
多少生音も小さくなるので、夜の練習でも役に立ちます。マストアイテムです。
ストラップ
Tommy Emmanuel Leather Guitar Strap
こちらは自身のHPで売っています。
https://store.tommyemmanuel.com/products/leather-guitar-strap
ブラシ
トミーのライブではドラムのブラシでギターをビシビシ叩いて演奏するシーンがあります。
これは観客が飽きないようにするために始まったようです。(トミーはドラム経験者)
自分のギターでこちらをやる際はかなり傷つくので自己責任でお願いします笑
また実際のライブでもあまりやらない方が良いかもしれません。事前に言わないとPAさんが怒ります。
やる時はスタジオに入って自前のマイクでやりましょうね!(やると結構気持ち良い)
トミーの音を出したいなら
トミーと同じ音を出したいならMatonのギター×AERのDual Mix2の組み合わせさえできていればかなり近い雰囲気が出せます。
理由としてはMatonギターの価格帯は新品であれば20万円前半〜100万円近い物までありますが、ピックアップは9割以上AP5 PROで統一されているためラインで繋いだ音はさほど変わりません。
それはトミーも同じピックアップシステムを使っているため例外では無いのです。
どの価格帯のギターを買っても繋いだらすぐに”良い音”で出力できるというのはMatonの強みだと思います。
以上、参考になれば嬉しいです!