・たくさん種類があるらしいけど、それぞれの特徴が知りたい!
という人に向けてこの記事を書きました。
この記事を読めば、あなたにとって理想のピックアップが分かります。
人前で演奏することはとても練習になりますので、普通のアコギを使っている場合はぜひ検討してみてくださいね!
目次から気になる所へ飛べます!
Contents
ピックアップとは
以前、アコギとエレアコの違いの解説をしました。
そこでピックアップとプリアンプという用語が出て来ましたね。
まだ読んでいない方はご覧ください!
改めて簡単に説明しますと
ピックアップとはアコギの音・振動を電気信号に変換する機械のことです。
そして変換した電気信号を扱い易い信号レベルまで増幅する機械がプリアンプになります。
その2つの機械を通った後、スピーカーでまた電気信号から音へ変換され、僕たちの耳に入ってくるという仕組みです。
やりたい奏法を考えた時にピックアップの種類によって向き・不向きがあります。買ってから失敗した。。。なんてことが無いように一緒に学んで行きましょう!
それではLet’s Go!!
ピックアップの種類
いきなりピックアップの種類に行く前に2つのカテゴライズについてお伝えします。
それが以下です。
- アクティブ(ピックアップ)
- パッシブ(ピックアップ)
超ざっくりと違いを説明するとピックアップに電池が要るか要らないかです。
アクティブピックアップとは小型プリアンプが内蔵されているピックアップの事を指します。そのプリアンプに電池が必要なのです。
アクティブとパッシブについてもメリット・デメリットがあります。
気になる方は以下を参考に!
これから紹介するピックアップは上記2つのどちらかにカテゴライズされます。
では早速、ピックアップの種類について見ていきましょう!
- マグネット
- アンダーサドル
- コンタクト
- コンデンサーマイク
- デュアル(上記の組み合わせタイプ)
5つもありますね!
それぞれ特徴があり活躍する場所が違います。
特徴を簡単にまとめました。
結論から先にいうとデュアルが最強です。
デュアルとは①〜④のピックアップを2〜3個組み合わせる物のことです。
なぜ最強なのかはあとで説明します。
もちろん組み合わせ方によっては全て○にはなりません。
それではマグネットピックアップから。
マグネット ピックアップ
このような機械がサウンドホールに付いているギターを見たことはありませんか?
これがマグネットピックアップです。
マグネティックピックアップとも言います。
マグネットピックアップは弦の振動を磁気で感知し、電気信号に変換します。
エレキギターと同じ構造ですね!
早速、音を聞いてみましょう!
どうでしょう、好みの音でしょうか?
次にメリットデメリットを見ていきます。
マグネットのメリット
- 簡単に取り外し可能。
- 穴あけ不要
- バランス良く音を拾う。
- ハウリングに強い。
マグネットは他のピックアップと違って簡単に取り外しが可能なのが嬉しいところ。
またギター本体に穴開けをしなくても使えるというのも嬉しいですね。
自慢のギターに穴を空けることを躊躇するのも分かります笑
ただ個人的にはサウンドホールから配線が垂れていると気になるので、マグネットを使う場合も穴を空けることをオススメします。
ライブで線がぷらぷらしていると気になっちゃいますから笑
ハウリングにも強いのでライブ向きです。
マグネットのデメリット
次にデメリットです。
- 音がエレキっぽい。
- 重い。
- 生音が損なわれる。
- 見た目が変わる。(機械付いてます感)
音は技術の進歩で良くはなってきていますが、生音からは遠いというのも事実です。
またマグネットは重いため、生音に影響が出ます。
なぜ重さによって影響が出るかというとギターという楽器の構造に起因します。
ギターを弾くと弦⇨サドル⇨ブリッジ⇨ボディトップという順番で音が伝わり、ボディ内で音が増幅してサウンドホールから音が出るという構造になっています。
つまり重いものがボディトップに付くことで、十分にトップが振動しないため生音が損なわれてしまうのです。
ただ、ことライブに関しては「生音が損なわれること=悪」ではありません。
なぜなら、倍音がハウリングの原因となってしまうからです。
ライブ中にハウリングが起きるとお客さんにとっても不快ですし、自分も演奏に集中できなくなります。
生音では倍音が重要ですが、ライブにおいては邪魔になってしまうというのは面白いですよね。
メリットでも説明したようにマグネットは着脱が簡単なので、家で弾くときは外して、ライブの時だけつけるという使い方がオススメです!!
プロの方もそうしている人が多いです。
後述しますが、デュアルピックアップとして使用するもの一つとして代表的なピックアップです。
⬇️代表的なマグネットピックアップです。
アンダーサドル ピックアップ
名前の通り、サドルの下に付けるピックアップです。
写真でいうとオレンジ色の部分(ピエゾ素子)がサドル下に配置されます。
ピエゾ素子が弦の振動・圧力を拾って電気信号に変換する構造のピックアップです。
では音を聞いてみましょう!
最初の26秒〜アンダーサドルの演奏が始まります。
音質は硬質で、独特なプリプリした音がしますね。
次にメリット・デメリットを見ていきます。
アンダーサドルのメリット
- 音抜けが良い。
- ハウリングに強い。
- 見た目は変わらない。
最初に説明した通り、サドル下のピエゾ素子が弦の振動・圧力を拾って電気信号に変換する構造となっており、ハウリングに強いです。
またその独特な音質から、バンドの中でも埋もれにくいので複数人でのセッションでは重宝すると思います。
ギターに穴を開けて使用する形になりますが、ぱっと見でピックアップが付いているとは分かりません。
アンダーサドルのデメリット
次にデメリットです。
- 独特な音
- 自分でサドルを調整しにくい。
「ピエゾ臭い」って言葉は聞いたことありますか?
このアンダーサドル特有のプリプリした音を指すのですが、正直アコギらしい音ではないため、敬遠されがちなピックアップであることは事実です。
前述した通り、サドルに密着することで圧力や振動を感知する構造のため、ちゃんとサドルに密着していないと効力を発揮しません。
自分でサドルを削って弦高を調整する人もいると思いますが、自分で削って斜めになったりガタガタなったサドルを使用すると音のバランスが崩れてしまうという事象が起こってしまうのです。。
YAMAHAのサイレントギターにアンダーサドルが入っているのですが、弦高が高くて弾きにくかったので、お店に問い合わせた所、自分で削るのは絶対オススメしません!と言われました。
アンダーサドルを使っている人はサドルを削って行う弦高調整には気をつけましょう。
心配な人は楽器屋さんに持って行ってサドルを削ってもらった方が無難です。
⬇️代表的なアンダーサドルピックアップです。
コンタクト ピックアップ
コンタクトピックアップはギターのトップ裏にペタッと貼り付けるタイプです。
クラシックギターやウクレレにも使用されるピックアップですね。
画像でいうと黒い丸のピエゾ素子がボディの振動や残響を拾う構造となります。
音を聞いてみましょう!
コンタクトピックアップの音は1:50地点です!
紹介した前の2つのピックアップと違ってボディヒット*を拾っているのが分かりますね!
*ボディヒット:ギター本体を叩く音
それではメリット・デメリットを見ていきます。
コンタクトのメリット
- ボディヒットを拾う。
- 生音っぽい。
- デュアルピックアップ向き
ボディヒットを拾う。
コンタクトピックアップの最大の魅力はボディヒットの音を拾うところでしょう。
ボディをさすったり、衣擦れする音も拾ってくれます。
エレキと違って、アコギはボディヒット音もアクセントとして使用します。
ボディヒットを使った曲をやりたい人はこのピックアップを使用しましょう。
スラム奏法やボディヒットを多用する曲には必須のピックアップですね。😊
僕はボディヒットを使用するので、K&Kのpure miniというピックアップを使っています。
3又に分かれているので、高音から低音までバランス良く拾ってくれるので気に入っています。(画像は下に貼りました)
生音っぽい。
ピックアップ自体はアンダーサドルと同じくピエゾ素子を使ったものですが、良いピックアップはかなり生音に近いです!
ただ良くも悪くも製品や貼る場所によって音質が変わってきます。
音質が良いという人も居たり、ピエゾ臭いという人も居たりするのはそのためです。
デュアルピックアップ向き
ボディヒットを拾う特性はコンタクトピックアップが一番向いています。
そのため、打音や音の軸はコンタクトを使ってサブとしてマグネットを使用するのが横道パターンですね。
コンタクトのデメリット
次にデメリットです。
- ハウリングしやすい。
- 貼り場所に依存する。
コンタクトピックアップは弦を弾く音からボディヒットまで幅広く音を拾ってくれる一方、ハウリングしやすい弱点があります。
また先ほど書いた通り、貼る場所によっては音質が悪かったり、音をあまり拾ってくれないことがあります。
そのため自分で取り付けるのは絶対オススメしません。
ただプロならどの店でも良いという訳でもないです。A店で取り付けたら微妙だったけど、B店で貼り直ししてもらったら前より音を拾うようになった!
みたいな事例もあるので、自分で付ける場合はもちろん、どのお店で付けるかも調べた方がいいですね🙆♂️
ボディヒットと行っても叩く場所は人や曲によっても異なります。
取り付けてもらう時には自分がボディヒットする箇所を伝えておくのでも違ってくると思います。
⬇️代表的なコンタクトピックアップです。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは小型マイクをギター内部に仕込んで音を拾う構造です。
音をそのまま反映するので、自然な音がします。
早速聴いてみましょう!
15秒地点からです!
コンデンサーマイクのメリット
- 生音に近い
- 弾きながら動ける(どのピックアップもそうだけど)
生音に近い
マイクタイプの一番の魅力はやっぱりで音の自然さですよね。
マイクで拾った音を出力するわけですから、弦を弾いた後のボディ内の残響音など生音に限りなく近い音で鳴らせます。
弾きながら動ける(どのピックアップもそうだけど)
これは備え付けのマイクと比べての話です。
マイクスタンドにつけたマイクにサウンドホールを近づけて演奏すると分かりますが、演奏中にマイクとの距離が離れないか心配ですよね。(離れると急に音が小さくなったりするので。)
その点、コンデンサーマイクはギターに固定されているので動き回っても音をちゃんと拾ってくれるのは嬉しいですよね。
もちろんピックアップとしてのマイクより備え付けのマイクの方が性能は良いのですが、
ライブ中に「動いちゃいけない」と頭の片隅で意識しながらより、コンデンサーマイクをつけた方が演奏に集中できて良い結果に繋がると思います。
コンデンサーマイクのデメリット
次にデメリットです。
- ハウリングに弱い。
ハウリングに弱い。
デメリットはこれに尽きます。
生音の再現性が高さと引き換えにハウリングに弱いです。
レコーディングなど自分一人だけの演奏というシチュエーションには向いてますが、バンド演奏には向きません。
そのため、コンデンサーマイクはメインというよりデュアルピックアップのサブとして使う方が良さそうです。
⬇️代表的なコンデンサーマイクです。
デュアル ピックアップ(複合タイプ)
デュアルピックアップとは上記で紹介したピックアップを複数組み合わせて使うものを指します。
(デュアルは2つという意味ですが、3つ組み合わせるものもあります。)
既製品のものもあれば、別メーカーのものを組み合わせる人もいます。
そのため、「デュアルはこの音!」みたいなものはないです。
音は各々違いますが一例として音を聴いてみましょう。
井草聖二さんのLight Wavesという曲です。
初めて見た方はピックアップより演奏に目が行きましたよね笑
コンタクトピックアップで打音を拾って、マグネットも使用しているのがなんとなく分かりましたか?
(マグネットだけではここまで綺麗に打音を拾わないです。)
次にメリット・デメリットを見ていきましょう!
デュアルのメリット
- ピックアップの弱点を補うことができる。
- 幅広い音づくりが可能。
ピックアップの弱点を補うことができる。
デュアルピックアップのメリットは単体で使った時の弱点を補い合う事ができる所です。
上で紹介した通り、ピックアップにはそれぞれにデメリットがあります。
それらを組み合わせることで、お互いのメリットでデメリットを補ってしまおう!というものです。
今のプロソロギタリストはこのシステムを採用していることが多いので、最強システムと言えます。
日本のプロソロギタリストはマグネットはSUNRISEのS-2×コンタクトの組み合わせが多く、アマチュアの人も真似する人が多いです。一時期は一世風靡していました。
最近はDiMarzioのThe Black Angel×コンタクトの組み合わせがじわじわ増えてきています。
例えばデュアルの代表的な組み合わせはこんな感じです。
- コンタクト✖︎マグネット
⇨コンタクトで音の軸と打音を拾って、マグネットで弱点のハウリングをカバーする。 - ピエゾ✖︎マイク
⇨ピエゾで音の軸を作り、マイクでピエゾの苦手な空気感や打音を拾う。 - マグネット✖︎マイク✖︎コンタクト
⇨①にマイクの空気感をプラスできる。
個人的には①の使い方が一番多いと思います。
最近人気のMatonというエレアコは②のシステムを導入していますね。
幅広い音づくりが可能。
デュアルは上記のピックアップの使用比率を決める事ができるのも魅力です。
例えばピエゾ✖︎マイクで使用する場合、もうちょっと空気感のある音が欲しいなと思えば、比率を3:7にしてマイクの出力を上げるという事ができます。
比率についてはプリアンプで調整したり、ピックアップにスイッチがある既製品を使えば、そこで調整する事ができます。
Matonというエレアコではボディにプリアンプが内蔵されており、ここでマイクとピエゾの比率を変える事ができます。
🔽Matonのボディに埋め込まれたプリアンプ
デュアルのデメリット
次にデメリットです。
- 生音が損なわれる。
- 多くはギターの穴あけが必要。
生音が損なわれる。
これは複数ピックアップを使用するのでしょうがない所ではあります。。
ただマグネットとの組み合わせであれば、マグネットは簡単に取り外せますから、生音への不満もいくらか解消すると思います。
(マグネットピックアップが一番重いのでね。。)
多くはギターの穴あけが必要。
これも上記同じ理由ですが、複数ピックアップを使用する訳ですから、全ての配線をサウンドホールから出して使用するというのは現実的ではありません。
何かしらアコギに穴を開けるのは避けられないです。
ただ☝️のデメリット2つをはるかに凌駕する”音”を手に入れる事ができるので、個人的にはメリットの方が多いと思います。
市販の物で最初から複数ピックアップのものもあります。
例えば、SKY SONICのPRO1なんかはマイク・マグネット ・コンタクトの3つも付いています。
⬇️代表的なデュアルピックアップ(既製品)です。
まとめ
長くなりましたが、ピックアップの説明はこんな感じです。
音が良いとお客さんも嬉しいですし、音が悪いとどうしても演奏に集中できません。
他人が良いと言っているから付けるのではなく、自分がやりたい曲に合わせたピックアップを組み合わせて、最高の音を目指しましょう!